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ひたすら考えたことをひたすら書き殴ってひたすら終わる。

新聞を読むメリットってなんだろう?

今回は「新聞のメリットってなによ?」という話です。


知人数人と与太話をしている最中にふと「最近新聞読んでる?」という話になりまして、
その議論になるとたどり着きやすい

「ネットニュースがあるから意識して新聞を見る必要はないだろう。紙の無駄」
という意見に対して新聞擁護派からの反論にいまいち説得力がない

という事柄に対してちょっと考察欲を駆り立てられたので、
えいやっと記事にしてしまうことにしました。
しかし知人同士で会話してるときにこういう話題がでてくると
「ネタゲット」とほくそ笑んでしまうのはブログを書いている人間のサガなのでしょうか。
「ニヤニヤしてどうしたの?」と同席者に突っ込まれてしまいました(笑
この現象、僕だけだったらイヤだなあ・・・・・・


さて、本題に入りましょう。
僕が新聞擁護派になったとして新聞のメリットを挙げるとするならば、

  • 見出し以外の本文も併記されていること
  • 自分本位のアーカイブが可能


以上の2点がそれに該当すると考えています。
ここでは敢えて「ネットニュースは速報性を重視するあまり記事の精度が落ちる」等の比較的耳にしやすい意見に対しては考察を進めません。理由は後述・・・・・・。


見出し以外の本文も併記されていること

 「見出しをざっと眺めて読みたい記事を決める」。これは新聞の読み方として大多数の著名人が推奨している新聞の読み方です。見出しは記事の本文とは違うフォントで記されており、紙面の中から見出しを捜索する際の手掛かりになります。
 さて、ここで考えてみてください。1度でも紙面を見出し探しを中心に読んだことがある人はわかると思いますが、見出しを探していく最中になんとなく本文に目が行って、そこを注意深く読み始めてしまう・・・・・・ということはありませんでしたか?
 「ある」と答えて下さった方は既にこの単元で僕が言おうとしていることを理解しているかも知れません。つまり、見出しを捜索する最中に無意識のうちに本文にも「見る」レベルで目を通しているのです。
 これはニュースサイトにはない体験です。今のニュースサイトはいわゆるダイジェスト方式なので、見出しをずらりと書き並べて読者に好きな記事をクリックしてもらう・・・・・・という方式でニュースを配信しています。ある意味プル型の配信とも言えるでしょう。本文までまとめて1ページに納めているわけではないので、読者側に関心が無ければそのニュースは本文に至るまで目に入ってきません。
 一方、新聞は見出しと本文が1ページに併記されているので、目線の行方は言わば全文検索をかけているようなものになります。
 つまり、見出しを探す作業と目についた単語を探す作業が同時に出来るのです。
 見出しだけを列挙してあるニュースサイトでは時折本当に読みたいニュースを「見出しが悪い」せいで見逃してしまう危険性がついて回るため、ニュース見出しが過剰な表現になることがままあります。
 また、見出しを見る限りでは興味を駆り立てられなかったものの、本文には自分が知りたい情報に対する説明が書いてあったりするケースにも柔軟に対応できないのが現状のニュースサイトの課題とも言えるでしょう。
 これらの問題に対して、新聞は見出しと本文を1ページに集約してあることで全文検索のような読み方が出来ることでニュースサイトに対する優位性があると言えます。
 確かにニュースサイトにも検索機能が実装されているサイトが圧倒的多数ですが、「検索する」という行動がワンクッションを置かせてしまうことで手間がかかる印象を与えがちであること、「ん?」と無意識のうちに目が留まってしまうような単語(つまり検索しようと思うレベルまで意識化されていない単語)を発見できないことで新聞にはまだまだかないません。



自分本位のアーカイブが可能

 新聞は基本的に受け取ってしまえば自分のものです。読みたい記事を読み終えたらさっさと古紙回収に出すもよし、スクラップしておいてあとでまとめて見るもよし、購読数が少なければ数ヶ月単位でまとめておくもよし。全ては自分次第です。
 一方ニュースサイトでは、記事を保管しておく期間を決めるのはニュースサイトの管理者です。重要な情報であってもサイトごとの基準によってばっさり削除されてしまうことも多々あります。このことは後になって特定の情報を整理したり、時系列ごとに情報を追おうとしたときにそれらを阻害してしまいます。
 最近ではウェブ魚拓等々のコンテンツ保存サービスがあるので、自分が意識的に保存しておきたい情報はそう簡単に手放し難くなったとはいうものの、これはあくまで新聞や雑誌のスクラップという概念をWeb上に持ってきただけなので、記事の保存という観点で新聞の優位性を全て奪い取ってしまったということにはなりません。
 本項の優位性に関しては、新聞はニュースサイトに載った記事を全てダウンロードしてきてから、オフライン環境で目を通しているようなものだと表現すれば解りやすいかも知れないですね。全てダウンロードして目を通してからそれを放置しておくかもしれないし、必要な情報だけ回収して後で削除するかも知れない。もしまるごと記事を全て保存しておけば、後になって「このニュース前にも読んだ!どうしてこういう情勢になってるんだっけ」と躓いたときに保存してあった記事を読み直せばよいのです。自分で削除しない限り記事はそこにあるわけですから。



情報の精度を新聞の優位性にしてもよいのか

 新聞の優位性の中でよく「新聞は通常1日2回の刊行なので記事にする際にある程度精密に記述できるから有利」という意見を見かけますが、果たしてその通りでしょうか。今回は新聞擁護派として新聞のメリットを挙げるという形で考察を展開していますが、この件に関しては僕も疑問を抱いています。
 ネットニュース上で取り上げられる「速報」はむしろTVのそれに近いものであり、同じ文章のコンテンツだからと言って新聞と比較するのは筋が違うからです。
 加えて、ネットニュースに限らずWebコンテンツは全般的に記事の追記・編集が容易です。詳報が出次第「○月○日 ○時○分○秒追記」のような解りやすいサインをつけて記事をより高密度・高精度なものへと変質させることが可能なので、この点においてはむしろ新聞よりもネットニュースの方が優位だと言えるでしょう。*1



まとめ:結局新聞はまだまだ必要なの?

 ここまで新聞擁護派として

  • 見出し以外の本文も併記されていること
  • 自分本位のアーカイブが可能


 と2つの点において考察を展開してきましたが、最終的に「これらを踏まえて新聞はまだまだ必要なのか」というところに着眼すると、僕の意見としては「現状ではまだ必要」であると考えています。
 ここで言っておかなければならないのは、今回取り上げた優位性はネットニュース側も覆そうと思えば簡単に覆せてしまうということでしょう。単に「今まで新聞を模したニュース配信サービスが絶対的に少ない」*2というだけの話ですので、これが実現されてしまえば新聞の優位性は大いに覆る事になるはずです。
 ですが、勿論技術的な問題以外の問題*3が長い間培われた「新聞」というメディア形態の中で渦巻いていますので、一朝一夕には新聞というメディアが根絶することはないでしょう。
 とはいえ、直近ではないにしても必ず紙で配信する新聞というメディアが荒廃する機会がやってくるでしょう。その時に今回取り上げたような「新聞の優位性」を維持したサービスがネット上で展開されていることを願って止みません。


僕的には新聞を見ている意義は今回取り上げた優位性以外にはありませんし!



おまけ

 「まとめ」の項を書いている最中にこういうものを発見しました。

新聞紙を止めてKindleに配信すれば、経費が半減するって本当か?

 そう言やあ新聞には折り込み広告が入ってきますよね。求人広告とか。ネットでは広告も出ずに無料であることを要求する人たちが圧倒的多数である以上、現行で新聞紙を配達する事を止めるのは難しそうです。

*1:尤も実際にこうやって記事を補完しているシーンを見かけたことはありませんが・・・・・・

*2:既に産経新聞iPhone/iPod touch向けに紙面を配信していますが

*3:経済的な問題とか。多分こちらの方が大きい